鉢呂元経産大臣の辞任(2)、敵の懐に手を突っ込んで自爆

hachiro

(by paco)鉢呂元経産大臣の辞任について、続報が入った。解説したほうがよさそうなので、再度分析記事を書く。#pcxlside #enemaru #genpatsu

つい数日前、鉢呂・元大臣の辞任については分析を書いた。

「官僚を相手に戦うには無防備に過ぎた」

というのが前回記事の趣旨。

で、今日、新たな情報が「現代ビジネス・ニュースの深層」に書かれ、今現在でツイート数が6000を越えて、脱原発論者にかなり支持されている。

この記事で新たに出てきた情報として重要なのは、

 

「政府はエネルギー政策を大臣レベルの『エネルギー・環境会議』と経産省の『総合資源エネルギー調査会』の二段構えで検討する段取りになっていた。前者は法律に基づかないが、後者は法律(注・経産省設置法)に基づく会議だ。調査会は今年中に中間報告を出して、来年、正式に報告を出す方針だった」

「このうち総合資源エネルギー調査会は私が着任する前の6月段階で、すでに委員の顔ぶれが内定していた。全部で15人のうち3人が原発反対派で残りの12人が賛成派だ。私は事故を受けて、せめて賛成派と批判派が半数ずつでないと、国民の理解は得られないと思った。それであと9人から10人は反対派を加えて、反対派を合計12、3人にするつもりだった。委員に定数はないので、そうすれば賛成と反対が12人くらいずつで半々になる」

という点だ。

実は、官僚の権力の源泉は、この「法律で定まっている審議会」にある。記事にもあるように、政治家はころころ変わるが、審議会は官僚の手のうちにある。法律で決まっているから、そこで決まったことも法的にオーソライズされる。これを足がかりにして、官僚は自らの意図を実現する。別の側面から見ると、世の中を特定の方向に動かしたいと思えば、官僚に圧力をかけて、審議会を牛耳ればいい。原発やエネルギーについては、官僚が牛耳っていたのか、東京電力(電力村)が牛耳っていたのかは、解釈が分かれるところだが、いずれにせよ、一蓮托生だ。

僕はいくつか行政関係の意思決定に関わったことがあるのでわかるが、正規の審議会のメンバーは、完全に「アンタッチャブル」だ。もっとも動かしがたい、重要な、要石の役割を果たしている。官僚は、ここだけは外部に手を突っ込ませない。

実際、いくつかの行政の場で「あの審議会のメンバーはどうやって決まっているのか。任命権限は誰なのか。なぜメンバーを変えないのか」と聞いたことがある。「それは無理です」「それだけは表だって言わない方がいいです」と、いさめられた。メンバーが決まっている真の理由、権限者については、少なくとも正規の権限者(たとえば大臣とか)ではないことは明らかだった。しかし、誰が最終権限を握っているのか、不明瞭だった。つまり、日本の意思決定の奥の院のさらに奥の院こそ、この正規審議会のメンバーを決める権限者なのだ。

逆に言えば、これを動かそうとすることは、虎の巣窟にいきなり外からすでを突っ込むことを意味する。鉢呂氏は、しかもこれを、素手で鷲づかみにしようとしたようなものだから、虎の巣のあわてぶりが想像できる。

「死の街」発言で揚げ足取りをしてもやめそうになかったので、禁断の手に打って出た。それがフジテレビによる「事実ねつ造疑惑」。「放射能をつけちゃうぞ」を言ったか言わないかわからないのに、報道してしまった。

ここには伏線があるとみている。

1か月ほど前、フジテレビは韓流など、韓国に偏向した番組をつくりすぎるということで、一部の右よりの人たちから猛烈な批判を受けた。人気商売のテレビ局としては、最悪の事態で、震え上がったことだろう。このとき僕は、これが原発問題を関係があるような気がする、と書いた。

2011/08/02 花王関係者Aさん個人宛のメッセージ↓

これが、純粋に韓国→フジTV→花王という流れだけかどうかが気になっています。

花王のコールセンターに電話をするのであれば、花王と韓国などの関係についての話だけになりますが、今回は、amazonで特定の商品が、特定のキーワード(においとか)でおとしめられています。これは、かなり組織的な感じがして、その組織が、純粋にイデオロギーなのか、別のねらい感をもっているのかも気になります。

特に気になっているのは、資源エネルギー庁が外部発注をした「ツイッターなどでの風評を追跡して修正する」という事業で、政府の情報コントロールの実証試験的な意味がある、可能性が気になっています。

だからといって、花王の対応を変える必要があるのかどうかは、別の問題になりそうですが。

今回、フジテレビがねつ造ともいえる報道に踏み切った背景に、この韓流問題が伏線になっている可能性がある。

証拠は何もないが、大胆な推測をすれば以下。

  • 東電の財力が落ちて、広告費を使ったメディアコントロールが効かなくなる。
  • 官僚「OBの誰か」が絵を描いて、新しいコントロール方法を考案し、右寄りの人を使ってみる。
  • フジをターゲットに、韓流傾倒批判を、右寄りの人たちが起こす。
  • フジが震え上がる。
  • 「OBの誰か」がころあいを見て、フジ批判を沈静化させ、フジに恩を売る。
  • 鉢呂氏が審議会メンバーチェンジを指示。
  • 官僚たちは何が何でも鉢呂排除を決意、過剰報道で辞任をめざす
  • 前回の「恩」をネタに、フジに無茶なねつ造報道を強要する。
  • 他のメディアにも同調を取り付け、フジにいちばん報道を指示(誤報としてハシゴをはずされない措置)
  • フジが一番報道、他のメディアも同調
  • 鉢呂氏辞任

という複雑なプロセスを、想像(妄想?)している。

官僚の権力にパワーがあるように見えるが、実は逆。

本当に権力があるときは、鉢呂氏のようにいきなり改革をするような大臣をそもそも大臣にさせない。つまり権力基盤が弱体化して、権力構造がむき出しになっているということ。これは9.11テロ以降のブッシュ政権も同じで、だからこそ、権力構造の研究材料がたくさん外に出てきた。これが、世界最強の米国の終わりの始まりになった。

今回の鉢呂氏辞任も、官僚機構と出力村の断末魔とみるべきではないかというのが僕の理解。ネット言論がこれを見逃さず、追求し続けることが重要。

イメージとしては、日向に出てきたミミズ。彼らは早く地面に戻り、地下からものごとを操りたいと思っているが、今回はやむなく地面に体の一部をさらしてしまった。日向に出たミミズやモグラは、短期間でひからびたり飢えて死んでしまう。彼らを地面に帰らせないことだ。