「核のごみ 地層処分ムリ」という、ごく当然の結論

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核のゴミ=使用済み核燃料の処分は、未だ決まっていない。

実現していない「核燃料サイクル」を実現して、ゴミを濃縮・圧縮して高レベル放射線が入った「キャニスタ」を地層処分しようというのが公式なやり方だが、もちろん、数万年かかっても無毒にはならないこんな危険なものを、「ちゃんと管理できる」と考えるほうがどうかしている。そもそも、この核燃料サイクル自体が、実現可能性がほぼゼロ。

使用済みの燃料棒をそのまま保管する方法でも、基本的には同じ問題を抱えている。

で、日本学術会議がいまごろになってこの問題を議論して、結局、「方法は無し」、と結論づけたようだ。あたりまえの結論だが、あたりまえのことが表に出てくるようになったのは前進。

それにしても、原発がつくられて40年、ずっと核のゴミ問題は言われてきたのに、21世紀、事故があってはじめてちゃんと議論するわけで、こんなめちゃくちゃが、現実に起こっていることをよく見ておきたい。原発というのは、茶番なんです、はじめから。

 

核のごみ 地層処分ムリ

日本学術会議でも解決見えず

2012年6月18日 07時04分

 原発から出る核廃棄物の処分場はいまだに受け入れ先が白紙だ。原子力委員会の依頼で、日本学術会議(会長・大西隆東大大学院教授)が解決の糸口を探るため二年前に議論を開始。だが今月上旬に出した結論は、地下深くに埋める現行の処分方針では安全性の確保も受け入れ先を見つけるのも難しく、方針転換が必要との内容で、一から考え直すことを提起した。近く報告書をまとめるが、将来に負の遺産をつけ回す原発の最大の問題点があらためて浮かんだ。 (榊原智康)

毎時一五〇〇シーベルト(一五〇万ミリシーベルト)と人がわずか二十秒で死に至る放射線を放つ高レベル放射性廃棄物は、処分がやっかいだ。国は二〇〇〇年に関連法を制定し、廃棄物をガラスで固め、地下三百メートル以上の地層に埋める「地層処分」方式を採用した。しかし、処分場の受け入れ先はまったくめどが立っていない。

何とか打開策を見いだそうとした原子力委は一〇年、学術会議に知恵を出してもらうよう頼んだ。

「研究者の国会」とも呼ばれる日本学術会議は、人文、社会、自然科学などの研究団体から選ばれた会員でつくる。今回の「核のごみ」問題では、原子力工学や地質学、歴史、社会、経済などさまざまな分野の研究者で検討委を組織し、議論を続けてきた。

核のごみの放射線レベルが十分に下がるまでには約十万年という想像もできないような時間がかかる。

日本はもともと地震や火山活動が活発なことに加え、議論を始めた後、東日本大震災が発生し地殻変動も活発化している。

検討委は、そんな現実の中で、十万年間安全だと説明しても住民の理解は得られないとみて、地層処分からの方針転換を議論。五十~数百年にわたって暫定的に貯蔵し、その間に抜本的な解決策を探る、と先送りの案も浮上した。

「将来世代にごみを送り続けるのは現代人のエゴだ」「未来の人類の知恵にすがらなければ、最終的な決定ができないとわれわれの限界を認めなければならない」

今月七日の検討委でもさまざまな意見が出た。結局、一致したのは、地層処分では住民理解は進まず、行き詰まりは解消されない-ということだった。

検討委は八月下旬にも報告書をまとめ、原子力委に提出する予定。検討委員長の今田高俊東京工業大教授(社会システム論)は「脱原発を進めても核のごみ問題の議論は避けられない。われわれの検討結果が、国民的な議論を呼び起こすことを期待している」と話している。

(東京新聞)http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012061890070441.html